2022年度の年金支給が15日に始まり、支給額は前年度に比べて0.4%減った。
物価高が進むのに年金額が減るのは、物価と賃金が下落していた昨年までの実績で支給額が決まったためだ。
具体的な支給額は支払う前年の物価変動率と、2年度前から4年度前までの3年度を平均した実質賃金変動率に応じて改定する。
20年度までは新型コロナウイルスの影響があり、賃金面では一時金の支給が減った。携帯電話料金の引き下げが消費者物価を押し下げたのだ。
具体的な金額ベースで見ると、22年度は会社員らが加入する厚生年金のモデルケース(夫婦2人の場合)で月額が21万9593円と、前年度に比べて903円減った。年換算で1万円超の減額となる。
エネルギー価格などは高止まりしているが来年も物価上昇が続いたとしても、年金が見合うだけ増えるわけではない。
仮に23年度が物価・賃金上昇を理由に年金増額となった場合、キャリーオーバーの0.3%分によって増額幅が大きく抑えられる可能性がある。なんでも調整ができてしまう不思議な制度である。
年金に頼らない資産形成をして、年金もあったんですね?くらいの心持ちで老後を迎えたほうがよっぽど心の健康には良いだろう。