時流

Amazon、ロボ巧者への道

米アマゾン・ドット・コムが10年ぶりにロボット会社の大型買収に動いた。

電子商取引(EC)の倉庫で用いる物流ロボの米キバ・システムズを買ったのは2012年。

今度はロボ掃除機「ルンバ」で世界シェア3割の米アイロボットを手に入れる。ロボにこだわるアマゾンの経営はどう進化するのか?

まずはアマゾンが物流の現場にもたらした成果の点検だ。フルフィルメントセンターと呼ぶ巨大倉庫のひとつで、キバを源流とする最新テクノロジーが導入された兵庫県尼崎市の施設では1日に出荷する商品は約45万個に及ぶ。日々、数百人が働く。主に背の高い棚に商品をしまったり取り出したりする作業だが、倉庫を歩き回ってはいない

2万台ある棚を必要な時、必要な場所に運ぶのは1800台の自走ロボ「ドライブ」だ。商品が満載された棚の間を人が歩けば疲れるし、危ない。だから棚の方を動かす。どう走らせれば最適か。クラウドで膨大な演算をして自動制御する光景は見応えがある。

従業員の負担を減らすため、重い荷物は棚の上部に置かないよう棚が光って知らせる。商品管理のバーコードを人がスキャンする工程はカメラの自動認識になった。

昔ドラマにあった倉庫の棚が倒れたところに子供がいて、それを大人が助け、その大人が再起不能になるというようなシーンはこれからドラマには出てこなくなるだろう。