時流

フランスの少子化対策

フランスの少子化対策が成果を上げている。

子どもの多い世帯ほど負担が軽くなる所得税制。第2子、第3子と手厚くなる家族手当。「子どもを持たないともったいない」と人々が感じるところまで徹底し、都市経済が内包する矛盾をつぶしていったからだ。

日本はどうであろう?

今の児童手当の配り方はめちゃくちゃだ。

年収960万円の所得制限ラインの根拠は子ども扶養世帯の上位10%というもの。出産促進効果の観点で精査されたわけではない。世帯主の収入だけで判断するので、共働きで夫婦の年収が各900万円ある世帯は満額が支給される。合計1800万円でも全額支給なのだ。

出産を促す十分なインセンティブ(インセンティブと書いて良いかはわからないが)になるかどうかが重要。所得制限を撤廃しても漫然と配るだけならバラマキに終わる。

フランスの家族手当は第1子に支給しない。出産促進効果が小さいと判断しているのだろう。たしかにそのとおりだと思う。まさに政治は国民との心理戦といえる。子供が三人以上いて最後の子供が成人するまでその家計は所得税がかからない社会にした場合、国民はどう動くか見てみたい。