時流

中国BYDの小型電気自動車

中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)が2023年に日本の乗用車市場に参入すると発表した。

ボディータイプの異なる3車種のEVを順次発売していく。中でも第2弾となる小型ハッチバック「DOLPHIN(ドルフィン)」は、価格設定次第で国内市場でも広く受け入れられる可能性がある。

日本仕様車の標準グレード「スタンダード」は、容量44.9キロワット時(kWh)のリチウムイオン電池を搭載する。満充電での航続距離はWLTCモードの自社測定値で386キロメートル(km)と、長距離移動を見据えた場合でも最低限は確保したといえる。しかし東北・北海道地方の冬場では心配である。(何度も書いているが)

競合車としては日産のリーフが本命になるだろう。ほかに挙げるとすれば、欧州ステランティスの「プジョー」ブランドの「e-208」や独BMWの「i3」が車両の大きさが近い。

中国では、DOLPHINの日本仕様車の標準グレードに当たる車両を約12万5254元(約250万円)で販売している。容量40kWhを超える電池を搭載するEVとしては安価だ。

200万円台での販売が実現できれば、リーフに対しても優位性が増す。リーフの標準グレード「X」は、航続距離が322km(WLTCモード)で、価格は370万9200円(消費税込み)である。

航続距離が350kmを超えるDOLPHINを300万円未満で購入できれば、日産やその他の国内自動車メーカーにとっても、プレッシャーになるだろう。