個人金融ビジネスで「ペイ」の存在感が一段と増す。デジタルマネーによる給与振り込みが2023年春にも解禁される方向となり、アプリ決済の利用が拡大しそうだ。
PayPay(ペイペイ)など決済事業者は資産運用や個人ローンなど本格的な金融サービスに触手を伸ばす。
PayPay証券は8月、PayPayの決済アプリから上場投資信託(ETF)を購入できる新たなサービスを始めた。初心者でも始めやすいように100円から投資できるようにし、運用商品を売却するとPayPay残高にチャージされて買い物に利用できる。決済アプリ内で有価証券の売買ができる機能は国内初である。
かつては社会人になると同時にメガバンクに給与振り込み用の口座をつくる人が大半だったが、デジタル給与払いの解禁も控えその地位は安泰ではない。メガバンクや大手証券は生き残りをかけてスマホ金融と組み、若年層を中心とした顧客基盤を取り込む戦略を描く。
100円で投資をしても老後の不安解消にはならないが投資のきっかけとしては身近な存在となるだろう。