政府はスタートアップに投資する国内ファンドの出資先を巡る規制を撤廃する。
いまは海外企業への出資比率を50%未満とするなどの上限があるが、これをなくして投資先選びの自由度を高め、国内ファンドに海外マネーを流入しやすくする。国内でスタートアップを育成しやすい環境づくりにつなげるためだ。
対象とするのは投資家がお金を出し合う投資組合「LPS」で、ベンチャーキャピタル(VC)がリスクを分散するためによくとるスタートアップ支援の手法だ。
投資家は有限責任組合員(LP)として参加するため、出資額以上のリスクは取らなくてよい。出資者にとって資金を投じやすい利点があり、小口でも複数の投資家から広く資金を集めるのに適した形態だ。法人格を持たないLPSは法人税を課されず利益が残りやすい面もある。
今までは最大50%しか投資できなかった海外マネーも撤廃されれば日本に呼び込むことはできるだろう。
企業価値が10億ドル以上の「ユニコーン」と呼ばれている有力新興企業は米国で600社、中国や欧州で100社を超える。日本は6社と少ない。この規制撤廃でどう発展するか楽しみである。