世界で関心を集めながら実態はベールに包まれた「アップルカー」。
米アップルは自動車を造ると明言していないが、特許を着々と蓄積している。「iPhone」をはじめとする革新的な製品を世に送り出したアップルの次の魔法は乗り心地に配慮した「酔わない車」の開発や、モビリティーの未来の形が浮かんできた。
ある時は警察官や逃走者の気分になってカーチェイスを繰り広げ、またある時は迫り来るゾンビを振り切るために荒野を疾走する。遠く離れたロンドンの市街地や架空の都市で優雅に車を走らせることも可能だ。歴史的な建造物を眺めながら、教養のための時間にあてることもできる。
そんな未来の車ができるかもしれない。
特許の一つが「モーションコントロール・シートシステム」というタイトルの特許だ。米特許商標庁のサイトで調べると、路面状況に応じて衝撃を緩和する「アクティブサスペンション」と連動してシートを制御し、振動などを抑えて乗員の不快感を取り除く仕組みのようだ。「移動中の車内で読書やスクリーンデバイスでの作業、映画鑑賞をしている車両乗員の車酔いを低減できる」とある。サスペンションの特許などでも車酔い対策に言及しており、アップルが究極の「酔わない車」を追求してきたことがうかがえる。
ワクワクする車を作ってほしい、いやもはや自動車とは言わなくなるかもしれない。