時流

NEC、さらば役職定年 50代後半「消化試合」にしない

55歳前後で管理職から外す「役職定年」制度を廃止する企業が増えている。

組織の新陳代謝と人件費抑制を狙った制度だが、年収も平均2割減り意欲を失う人材は多い。労働力人口が減っていくなか、本当の定年まで「消化試合の5年」となってしまうのは本人にとっても会社にとっても不幸だ。NECは実力主義で約1000人を管理職に復帰させ、シニアの力を生かす。

役職定年制度は定年がまだ55歳だった1986年、60歳までの雇用を努力義務とする高年齢者雇用安定法が施行されたことで広まった。

シニア層が長く管理職にとどまると世代交代が滞り、日本独特の年功型の賃金体系ゆえに総人件費も膨らむ。そこで一定年齢になると役職を外し、賃金も抑えることで問題を解決しようとしたからだ。

どの方法が正解なのかはわからないが、それぞれの企業の特性を生かせる方法を見つけた企業が生き残れる。