住友不動産は9月から、仮想空間「メタバース」で新築分譲マンションの販売を始める。不動産大手では初の動きになる。
ネット経由で物件情報を3次元映像として見せ、オンラインで契約に結びつける。地方や海外在住者など遠距離の需要も取り込む。メタバースを使ったビジネスがゲームや小売りから不動産など高額商品に広がってきた。
住友不動産が国内で手掛ける約80物件のうち、まずは20物件程度をメタバースでも販売する。アバター分身を使った購入の相談や、営業担当者による無料セミナーなども予定。注文住宅の販売も検討していく。
メタバースでは窓ガラスの形状などを詳しく把握でき、実際に部屋にいるかのように内見できる。実物では1物件で数タイプの部屋の紹介にとどまるが、メタバースでは全てのタイプの部屋を見られるようにする。
ますますIT業界の求人は増えるだろう。
不動産分野でメタバースの活用が動き出す背景に、5月、重要事項説明書や契約書類など不動産関連の電子契約が解禁されたことがある。当面の課題としては、本人確認がアバターでは難しいと判断された場合、ネット経由ながら念入りに確認する作業が必要となるだろう。