時流

サイバー防衛、マイナーリーグ

来日したデニス・ブレア元米国家情報長官(NID)が自民党議員に「日本のサイバー防衛の実力はマイナーリーグだ」と伝えた。

日本には計算性能で世界最高レベルのスーパーコンピューター「富岳」がある。21年まで速度で首位だった。ところが防衛省がこれらをサイバー防衛に使った実績はほぼない。

政府は文部科学省を通じて富岳に1100億円の開発費と年130億円ほどの運営費を投じてきた。使途は主に学術や産業の分野に限っている。潜在能力があるものの、活用できていない状況は海外から「宝の持ち腐れ」にみえる。

防衛費を倍近くも増やすなら、米欧を参考に省庁横断的な視点で吟味し、適切に組み換えることが必要になるだろう。