世界に1億人以上の発症者がいるとされる「円形脱毛症」で新たな治療法が登場した。米イーライ・リリーの治療薬候補が6月、日米で承認された。
円形脱毛症の飲み薬として日本では約30年ぶり、米国で最初の新薬となる。異常な免疫反応による毛根への攻撃を抑える作用の治療薬は初めてで、重症患者の3割超に効果があったという。
円形脱毛症は何らかの原因により、毛根への攻撃信号を伝える物質「サイトカイン」が体内で過剰につくられる。その信号が特定のタンパク質「JAK(ジャック)1/2」を介し、免疫細胞が毛根を攻撃するようになり、発症する。
円形脱毛症の新薬「オルミエント」を患者に処方し、今まで全く歯が立たなかった重症患者に可能性のある治療とみている。