「有事の金」ではなく「有事の円」に異変がおきている。2008年9月のリーマンショックの時は約3ヶ月で1ドル=106円から87円と20円近く円高になった。
東日本大震災や新型コロナウイルス禍でも円は買われた。
ところが今回のウクライナ危機では3月に入り約4円も円が下落した。
米連邦準備理事会(FRB)は16日に約3年ぶりに利上げに踏み切ったが、日銀は18日に大規模緩和の維持を決めている。世界のマネーは利回りが見込めるドルに向かっており、より一層ドル高、円安が進みやすい。
また、18日に発表された2月の消費者物価指数上昇率は、携帯電話料金の値下げという特殊要因を除けば、日銀が目標とする2%に到達している。しかも中間の企業物価指数で言えば9%と米国並みの高インフレにも関わらず、給与総額は0.9%増にしかなっていない。
つまり物価は上がったが、給与はほぼ横ばいである。
ちなみに米国の平均時給の伸びは5.1%だ。