時流

「ゼロで死ぬ」

年代別に金融資産の保有額を中央値で見てみると、60代が1400万円、70代が1500万円と他の年代に比べて突出している。これはあくまでも中央値なので、これを平均値で見てみるとさらに増える。60代では何と3000万円強にもなるのだ。

これを見る限り「死ぬときに最もたくさんお金を持っている」というのは、おおむね正しいと言えるだろう。

多くの人がやりたいことを犠牲にしてまで、お金をため、増やし続けるのだろうか。それは「老後不安」というナラティブがあるからだ。

日経新聞に書いてあるが、日本においては、自営業であれば公的年金だけで生活していくのは難しいが、普通のサラリーマンなら、そんなに心配する必要はない。厚生労働省のモデル年金額では、妻がずっと無職であったサラリーマン家庭の場合の年金支給額は月額で約22万円だ。毎年海外旅行に行くとか、頻繁に豪華な外食をするということでなければ、日常生活はこの金額でも可能である。事実、筆者は定年後、夫婦二人で生活しているがその生活費はおよそ月に21万~23万円ぐらいでまかなえている。

とあるが本当にそうだろうか?年金支給額はもっと少ないと推測される。最近の年金定期便によると75歳まで受け取りを遅らせると最大84%増えるらしい。

日本の将来に不安を持っている方は事実たくさんいる。